HIV検査まめ知識

HIV検査について、知っておきたい豆知識をまとめました。

1. HIV検査とは

HIV検査は、エイズ(後天性免疫不全症候群)の原因ウイルスであるHIVに感染しているかどうかを調べる検査です。HIVに感染すると、体内でまずHIVが増え、その後、HIVに対する抗体が産生されます。通常のHIV検査は、血液の中にHIVに対する抗体があるかどうかを調べる「抗体検査」が一般的です。

また、より早い時期からの感染を見つけるために、HIVが増殖しはじめた時点でウイルス遺伝子を調べる「核酸増幅検査(NAT検査)」やHIVを形作るタンパク質を調べる「抗原検査」、抗体と抗原が同時に測定できる「抗原抗体同時検査」があります。

2. HIV検査の流れ

HIV検査は、最初に「スクリーニング検査」を行い、そこで陰性であれば「HIV検査陰性」となります。陽性になったものについては引き続き「確認検査」を実施し、確認検査で陽性であれば「HIV感染」、陰性であれは「HIV検査陰性(スクリーニング検査の偽陽性)」となります。スクリーニング検査の陽性には、HIV感染による「真の陽性」と、HIVに感染していないのにも関わらず、非特異反応により陽性となる「偽陽性」も含まれているため、確認検査は必ず行わなければなりません。

3. HIV検査のウインドウ期とは?

HIVの感染初期には、血液検査では陰性となり、感染していることが検査では分らない時期があります。これを「ウインドウ期(ウインドウピリオド)」と言います。HIVに感染すると、通常、4週間後くらいから血液中でHIVに対する抗体が検出されるようになりますので、感染から4週間以内に抗体検査を受けた場合は感染していても陰性となる可能性があります。

4. HIV検査はどこで受けられるの?

HIV検査は全国のほとんどの保健所や自治体の特設検査施設(東京都南新宿検査・相談室など)で、無料・匿名で受けることができます。自分の居住地以外の保健所でも検査は受けられます。

また、有料ですが、医療機関でもHIV検査を希望すれば受けることができます(自費診療の場合、5000円〜10000円くらい)。

 

5. 通常検査と即日検査

保健所等の無料匿名検査施設では、スクリーニング検査で陽性の場合、引き続き確認検査も実施して確定結果を1〜2週間後にお知らせする「通常検査」と、スクリーニング検査で陰性であった場合、検査を受けたその日のうちにお知らせする「即日(迅速)検査」とがあります。検査施設によって実施している検査が違いますので、事前に検査施設に確認するか、「HIV検査・相談マップ」で調べてから、検査を受けに行ってください。

医療機関では、スクリーニング検査を実施して、一度その結果を医師からお伝えしてから、陽性の場合は再度確認検査を行なう方法が主です。自分の受け取った検査結果が「陽性」の場合は、それがスクリーニング検査結果なのか、確認検査結果なのかを確認してください。また一部の医療機関では、HIV検査希望者の方に「即日検査」を実施しているところもあります。

6. 検査はいつ受けられるの?予約は必要?

保健所等の無料匿名検査施設では、検査施設によって検査日時が異なります。多くの検査施設は1〜2週間に一度、平日の昼間に実施していますが、平日の夜間や土曜日・日曜日に検査を行っている検査施設もあります。

予約が不要の検査施設もありますが、必要な場合もありますので、まず「HIV検査・相談マップ」で検索してから、HIV検査を受ける検査施設を決めてみてください。

 

7. 検査を受けるタイミング

HIVに感染すると、通常、4週間後くらいから血液中でHIVに対する抗体が検出されるようになります。また、核酸増幅検査(NAT検査)では、2〜3週間くらいからHIVの遺伝子が検出できるようになります。したがって、感染の可能性のある機会から核酸増幅検査では2〜3週間以上、抗体検査では1か月以上経過していれば、感染している場合には検査で陽性となる可能性が高いです。3か月以内の検査でも結果が「陽性」であれば、HIVに感染していると言えます。

もし結果が「陰性」であった場合、検査で陽性になる期間に個人差もありますので、感染していないことを確定する意味で、3か月以降の再検査をおすすめしています。

 

8. どんなときにHIV検査を受けたらよい?

コンドームを用いない性行為をしたり、HIVに感染したかも・・・と不安に思った時には、いつでも検査を受けてみてください。HIV感染はHIV検査を受けないと見つけることはできません。また、感染の可能性のある時期から3か月以内であっても、HIVに感染していれば1か月くらいから陽性になりますので、受ける意味は十分にあります。

また、もし1か月目で陰性であっても、受けた日からさかのぼった3か月前の感染リスクは陰性であることがはっきりします。自分の心の不安を解消するためにも、HIV検査を受けてみてください。